株式会社TOCCA、株式会社神戸デジタル・ラボとともにご支援するロジテムトランスポート株式会社様(千葉県千葉市)の事例を紹介します。
ロジテムトランスポート株式会社
東日本エリア(関東、東北、上信越、東海)において、主にバルク車(粉状、粒状の貨物を運ぶための専用車両)を用いた輸送サービスを展開。食品原料である小麦粉を中心に安全で効率的な輸送を提供。日本ロジテム株式会社のグループ企業。
本社所在地 千葉県千葉市

現在、物流業界は労働力不足やコスト増加などの多くの課題に直面していますが、アナログ作業の根強い慣習や初期投資の負担の大きさからデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいないケースも見られます。しかし、ホワイトボードの配車表や転記を必要とする作業など、小さな範囲から段階的にIT化をはじめることで、限られた予算の中でリスクを最小限に抑えて進めることができます。小さな範囲から始めることで、従業員が新しい仕組みに適応しやすく、現場への定着もスムーズに進むというメリットがあります。
使い方を変えずにデジタル化を実現
ロジテムトランスポート様では、ホワイトボードの配車表を事務所内に設置していました。配車業務の担当者が毎日、Excelの配車管理表を見てホワイトボードにマーカーの色やマグネットを使い分けて手書きで転記し、配車表を見たドライバーは自分のスケジュールを確認したことをマグネットを使って示していました。

ホワイトボードの配車表は、全体の状況を把握しやすいというメリットがありますが、担当者がExcelからホワイトボードへ転記したり修正したりする手間がかかり、転記ミスや転記漏れは配送トラブルに繋がる可能性があります。また、ホワイトボードは毎日書き換えるため履歴を残すことができません。
そこで、従来の配車管理用Excelをkintoneにインポート(=読み込み)し、必要な情報を任意の形式に自動で加工、事業所内に置いた65インチの大型モニター2台に表示する「配車ボード」システムを構築しました。ホワイトボードの配車表の良さは残し、それまでの使い方を大きく変えることなく、配車表のデジタル化を実現しました。
手間を減らしミスを防ぐ
構築したkintoneシステムは、Excelファイルをインポートするだけで事務所内に設置した大型モニターに配車情報が表示されるため、転記の手間がありません。大型モニターには1日分の運行計画が一覧表示され、例えば、変更があった箇所は背景色を変えて表示、決まった時間に表示を翌日分の運行計画に切り替えることができます。ドライバーが各自のスケジュールを確認する際は、大型モニターとは別に設置されたタブレットで自分の予定だけを表示した上で「確認」ボタンを押すことで見間違いを防ぎます。kintoneのフィルター機能を使うことで、車輛別やドライバー別、お客様別などの条件でデータを絞り込み、確認できるようになりました。

例えばLINEなどの外部サービスと連携して、ドライバーがスマートフォンから配車情報を確認できるようにする、配車情報が変更になった際にドライバーのスマートフォンに通知を送るといった機能拡張も可能です。また、デジタル化したことで配車の実績がデータとして蓄積できるようになり、データを活用した配車業務のさらなる効率化、運行管理とのデータ連携にも使えるようになりました。AIと組み合わせることで、配車実績をもとにした最適な配車案の自動生成や、ドライバーの業務不可・勤務時間を考慮した運行計画の提案なども可能になります。

ホワイトボードへの転記には約2時間かかっていました。配車ボード導入の一番のメリットは、その作業時間が必要なくなったことと、Excelのデータをインポートして投影しているので転記ミスが100%起こらないことです。
ホワイトボードと比較するとモニターに表示される文字は小さいのですが、ドライバーは近くで見ることができますし、配車業務の担当者はパソコン画面で見ることができます。手書き文字のように読み取りづらいということもありません。
ドライバーが自分の予定だけを確認できるタブレットの画面はとてもいいですね。ホワイトボードを使っていたときは、ドライバーが出社時間を見間違えることが月1回程度ありましたが、配車ボード投入後はなくなりました。
開発中のやり取りはオンラインが中心で、オンラインには当初不安もありましたが、問い合わせをすると即座にわかりやすく回答してくれましたので、開発は順調に進みました。
配車ボードをスマホから見られると便利では、といった社内の声もありますので、TOCCA様、KDL様と相談しながら、より使いやすい配車ボードにしていきたいと考えています。
kintoneを活用した理由
kintoneを活用することで、「配車ボード」と同様のシステムを一から作る場合に比べて約半分のコストで開発できました。
また、パッケージ製品に比べて、お客様の業務に合わせたカスタマイズがしやすく、配車ボードの画面表示も自由に設計することができます。
運用開始後、システムの改修や機能拡張、kintone以外のシステムとの連携がしやすいのもメリットです。